軸性近視の治療

軸性近視の治療

Treatment myopia

調節麻痺点眼治療

調節麻痺点眼治療

調節麻痺点眼治療では、ミドリンMという点眼薬を就寝前に使用します。

この薬は、目のピント調整を行う毛様体筋を緩ませ、水晶体の厚みを調節します。

これにより、仮性近視(毛様体筋の緊張によって一時的に近視状態になること)を改善する効果があります。

ただし、副作用として、点眼時にしみることや、散瞳(瞳が広がる状態)が約5~6時間続くことがあります。

そのため、日中の使用は避け、夜間の使用が推奨されています。

Treatment myopia

マイオピン点眼に
よる就寝前の治療

マイオピン点眼治療とは

マイオピンは、小児期における近視の進行を抑えるために開発された点眼薬で、アトロピン0.01%が配合されています。

これは、シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発されたもので、少なくとも2年間継続して使用することで、何も治療しない場合と比較して、近視の進行を約60%抑える効果があることが確認されています。

マイオピン点眼の特徴

マイオピンは、副作用がほとんどない安全な治療法とされています。

また、日中にまぶしさを感じることがなく、サングラスを必要としないため、生活への影響も少ないです。

さらに、ピント調整機能(遠くや近くを見る力)にもほとんど影響を与えないため、日常生活で不便を感じることがありません。

毎晩就寝前に1滴の点眼で済むため、簡単で続けやすい治療法です。

1本のマイオピン(5ml)は両目で1か月使用でき、GMP認定工場で生産されているため、高い品質が保証されています。

マイオピンの副作用

マイオピンの副作用はほとんどありませんが、まれに瞳孔が広がるため、まぶしさを感じたり、軽く調節機能に影響を受けることがあります。

しかし、これらの症状は就寝前に点眼すれば、朝には元に戻るため、日常生活には支障をきたしません。

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オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジーは、患者様の角膜の形に合わせて作られた専用のハードコンタクトレンズを使用する治療法です。

就寝中にこのレンズを装着し、角膜の弾力性を利用して屈折異常を矯正します。

朝起きた際にコンタクトレンズを外すと、矯正された角膜の形状は一定時間持続するため、日中は裸眼で快適に過ごすことができます。

オルソケラトロジーの仕組み

オルソケラトロジーに使用されるハードコンタクトレンズは、酸素透過性が高く、内面に複数のカーブが施されています。

このレンズの中央部は平坦になっており、角膜を軽く圧迫することで形を平らにし、屈折率を変化させます。

このレンズを夜間就寝中に装用し、朝外すことで、日中は裸眼でも視力が回復した状態を保つことができます。

また、学童期のお子様がオルソケラトロジーを装用することで、近視の進行を抑える効果も確認されています。

オルソケラトロジーのメリット・デメリット

メリット

手術不要で視力矯正

オルソケラトロジーは、手術をせずに近視や乱視を矯正できる安全な方法です。

日中は裸眼で生活

夜間にレンズを装用するだけで、日中は裸眼で生活できるようになります。

安定した効果

軽度の近視の場合、一晩の装用で数日間視力が持続するケースもあります。

安心感

もし装用によって問題が生じた場合、治療を中止すれば元の視力に戻るため、安心して使用できます。

デメリット

角膜への影響

レンズを取り外す際、乾燥などで角膜に傷をつけることがあるため注意が必要です。

定期的なケアが必要

通常のコンタクトレンズ同様、定期的なケアが必要です。

レンズの寿命

オルソケラトロジーのレンズは2~3年で買い替えが必要です。

夜間のにじみ

まれに、夜間に視界がにじんだり、まぶしさを感じることがあります。

継続使用が必須

レンズの装用を中止すると、視力は元に戻ります。

オルソケラトロジーがおすすめの方

・眼鏡が苦手なお子様

・日中に眼鏡やコンタクトレンズを使用したくない方

・早期に効果を求める方

・視力が求められる職業の方

・スポーツをする方など

オルソケラトロジーの治療の流れ

ご予約

まずは初診の予約を取り、来院してください。

治療の適応検査を行います。

各種検査

来院時に、視力検査、屈折検査、角膜形状検査などを行い、オルソケラトロジーが適応するかどうかを判断します。

検査後、治療の詳細をご説明します。

次回来院時(レンズの受け取りと説明)

検査結果に基づき、オーダーメイドのレンズをお渡しします。

レンズの使用方法や注意点を詳しくご説明し、装着の練習もその場で行いますので、安心して装用を始めることができます。

定期検査による経過観察

オルソケラトロジーは、定期的な検査とアフターケアが非常に重要です。

治療開始後、1週間、2週間、1か月、3か月後に検査を行い、その後も3か月ごとに定期的な検査を受ける必要があります。

問題がないと感じていても、定期的に検査を受けることで、目やレンズに異常がないかを確認し、トラブルを未然に防ぎます。

少しでも異常を感じた場合は、いつでもご来院ください。

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レッドライト治療

レッドライト治療とは

レッドライト治療とは

レッドライト治療は、650nmの赤色光を使用した治療法で、2008年に中国で弱視治療の装置として認可されました。

2014年、この赤色光には眼軸延長(目が長くなることで近視が進行すること)を抑制する効果が発見され、以降、さまざまな臨床データが集められました。

2021年には、米国眼科学会の雑誌でその効果が紹介され、近視進行を抑制する治療として世界的にも注目を集めています。

レッドライト治療の使用方法

レッドライト治療の使用方法

自宅でデバイスを使用して治療を行います。

眼鏡やコンタクトレンズを使用している場合は外してから治療を開始してください。

1日2回、1回1分半の赤い光を照射します。

1日の治療は4時間以上の間隔を空けて行い、1週間に5日、合計10回の治療を行います。

この治療機器は、オンラインでポータルサイトと接続しているため、治療時間や回数、間隔が自動で管理されます。

また、設定以上の照射時間や回数はできないようになっているため、安心して使用できます。

操作はタッチスクリーンのみで行うため、お子様でも簡単に扱えます。

特に3~8歳のお子様の場合、必ず保護者の監督のもとで使用してください。

適応条件

対象年齢

3歳~16歳

治療対象

軽度から強度の近視